ushiroaruki

映画を中心に感想や考察。ガッツリネタバレ多め。

すべての映画体験は『メン・イン・ブラック』に通ず!JとKと時々ワタシ

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メン・イン・ブラック』は1997年に公開されたコメディ多めのSFアクション映画である。『インディペンデンス・デイ』ですでに宇宙人をボコ殴りにした経験のあるウィル・スミスと、ここ日本では今やBOSSの宇宙人でお馴染みのトミー・リー・ジョーンズの二人が主演をつとめる。

 

「映画が好き」と公言すると、しばしば「どの映画が1番好きなの?」と聞かれることがある。何かを本気で好きになった経験のある人ならわかると思うけど(というか大抵の人はそういう経験があると思うけど)好きだからこそ1番って決めにくい。

まず好きな作品がたくさんありすぎて1つになんて簡単に絞り切れないし、「相手が知らなかったら」「好きって言った手前ヘタなネームは挙げられぬ」みたいないろんなしがらみが働いて、うーん……って考え込んでしまう。無理やり絞り出して口に出しても、後で「あっちにすればよかったかな」って後悔したりする。そんなのなんでもいいってわかってはいるんだけど、考えてしまう。考えるの、楽しいし。

そりゃ、「1つには絞り切れないけど、あれと、あれと、それからあれと……」っていう長い話をしていいなら、する。そんなの映画好きからしたら待ってましたの大舞台だ。聞いてくれるなら語りたい。でも「どの映画が1番好きなの?」なんて聞いてくる人は、長い話なんて聞く気がないことが多い。あからさまに興味無さそうにするのもなんだから、礼儀として聞いてくれているだけだ。

 

じゃあ、最初から答えを用意しておこう!と思う。1番好きな映画を聞かれた時に、うまいことお茶を濁せてイヤミにもならないような1本。かといって誰しもが口にするようなのじゃなくて、私らしい、私の趣味をわかりやすく伝えてくれるような1本。

メン・イン・ブラック』かなあ。

ここへ来たら、一周して『メン・イン・ブラック』かなあ。

って、最近強く思う。

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私が映画を趣味として楽しみ始めた区切りは、高校3年生の夏から。バイトをしていてお金も持っていたし、通学にも使っていて日常的に自転車に乗る習慣があったから、レンタルビデオ屋に通い始めてみたのがきっかけ。2ちゃんのおすすめ映画スレとか漁って、タイトル片っ端からメモして、週に10本とか借りて見た。次から次へ見たい作品が出てくるのが楽しくて、ジャンルもたくさんあるし、新しい魅力的な俳優を知れるのも嬉しいし、見れば見るほどワクワクは高まった。返却期限の日はでっかいレンタルDVDのバッグを持って学校に行って友達から呆れられたり。

大学に入ってからはしばらく落ち着いて、月に5~6本見る程度になったけど、大学3年目に周りに映画好きが増えたこともあって、再発した。映画評を漁り読んだり、1人で映画館に行ったり、有名な監督の名前を覚えたりと、高校の時より深く映画を楽しめている気がして、たまらなくワクワクする。今もワクワクする。映画、たのしい。とまらない。

 

映画オタク、映画マニア、ましてやシネフィルなんて言葉、自分に当てはめてみてもしっくりこない。「映画バカ」くらいがいい。私は高校3年生の夏、そして今さらにもっと、「映画バカ」になった。

映画バカになってからの好きな作品を挙げはじめると、キリがない。ストーリーならあれ、役者の演技ならあれ、設定ならあれ、シリーズ通したらあれ、あのジャンルならあれ……ほんとキリない。今1970年代の映画と2010年代の映画を見比べても、どっちがイイなんて一概に言えない。技術なら最新のものがすごいのは当たり前で、積み重ねてきた歴史を理由に古いものをいいというのは安易で。あ~でも残っているものはすごいことが多いし、いやそれを言うなら~と、やっぱりキリがない。

 

じゃあさ、「映画バカ」になる前の私。高校3年生の夏より前、もっと言えば小学生の時の私が好きだった映画って。

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そう、『メン・イン・ブラック』なんだよねえ。

 

高校3年生になって、私が通い始めたレンタルビデオ屋は、子供の頃にお母さんがほんとにたま~に連れてってくれたレンタルビデオ屋さん。当時まだVHSだし、1本400円くらいしたから、「2本まで」とか決められて、時間をかけてじっくり選んだ。「ひみつのアッコちゃん」とか「ウォレスとグルミット」と迷って、「またそれにするの~?」なんて言われてカゴに入れたこの1本。

家に帰って、早速ビデオデッキに突っ込んで、ポテトチップスかじりながら、妹と2人ワクワクしながらハエが飛ぶオープニングを眺めた。あのBGM!あの文字!

Kが宇宙人の頭をぶっぱなすシーンで「ギャー!」ってなったし、「MIB」のテストでJがテーブルをものすごい音立てて引きずるシーンや、変な屁理屈立てて子どもの絵の的を撃ちぬいた言い訳をするシーンでギャハギャハ笑った。

 

あー、確かあれは大学1年の夏、「メン・イン・ブラック3」が満を持して公開されて、まだあの時1人映画の経験がなかったから、ドキドキしながら特別な気分で映画館に向かったのを覚えてる。誘う人がいなかった訳じゃなくて、「デート」でも「友達と遊ぶ」のでもなく、「映画を見る」のだけが目的だったから、1人で行ってみたかった。

3Dで見たんだっけ。どうだったかな。それは忘れちゃったけど、大スクリーンの中で動き回るJを見て、「私が大好きだった世界は、私が大人になってもまだここに続いていた、JもKも、私と一緒に年をとっていた」と感じた。そうだ、「これだけは劇場で見なきゃ」って思ったんだよな。観に行くって友達に言ったら、思いがけず「私もあの映画好き」って言われて嬉しく思ったりしたの覚えてるな。確かにあの瞬間は私にとって、人生に残る映画体験だった。かけがえのない映画体験だった。

 

メン・イン・ブラック』が私の映画を見る目にとても影響を与えてるなと思うポイントはたくさんあって、例えばコメディSF作品が好きだったり、Jみたいなツッコミお調子者主人公が好きだったり(つまり『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』大ヒットだった)黒人の登場人物を割と無条件で好きになったり、バディものにこれ以上なく燃えるようになったりとか。

あと小学生の時好きになった男の子が濃い顔でかなりウィルスミスに似ていたとかあるんですが(笑)

 

そういう意味では、私が自分で自信を持って「1番好きな映画です」と言えるのは『メン・イン・ブラック』です。そういう意味で1番好きなのはね。他の意味で1番好きな作品ももっとたくさんあります。『怪盗グルーの月泥棒』とか『フィールド・オブ・ドリームス』とか『ガタカ』とかそれこそ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』とかね。

そんで、私の『メン・イン・ブラック』への愛を確固たるものにしてくれた『メン・イン・ブラック3』にとっても感謝しています。過去作まるごとさらに大好きになっちゃうような、続編として完璧すぎる映画だったんだもん。

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さあ誰か聞いて!

「どの映画が1番好き?」

 

最近見たのだとね~、『XMEN:ファーストジェネレーション』!

……あれ?(笑)

やっぱりぶれぶれです。映画バカの性ね。